先日、尺八を作るために仲間たちと小田原の竹藪に竹を掘りにいかせて頂きました。
尺八にする竹は冬の時期11月から1月の間に根っこから掘ります。
それ以外の季節は竹が水を吸い上げてしまうので冬に竹を取りにいきます。
竹の藪の中はとても静かです。
時折風が吹け抜けて葉を揺らす音が聞こえます。

竹の根っこは藪全部が繋がっているため、根を断ち切って掘るのはなかなかの重労働です。
一本一本個性があるので、少し曲がっていたりだとか、色や模様が違っていたり、竹との出会いも楽しいものです。
竹を掘った後は、根っこを水で洗って泥を落とします。
たわしなので、ゴシゴシしても根っこの奥に入っている泥や小石はなかなか取れません。
農家の方の藪で取らせて頂いたので、庭の裏に小さな滝がありそこで根の泥を落としました。
天然の高圧洗浄機!
水の浄化力の凄さを思い知りました。
滝行も心身が現れますが、物理的にもあっという間に泥が除去できました。素晴らしい!
そして、火を焚いて油抜きをします。
竹が汗をかいてきて美しい緑色になります。
火は内側にあるものを外に排出してくれます。
人間であれば、熱でウィルスや毒素を排出したり、火の要素が消化を助けてくれます。

こうして地無し尺八を作る工程は、「地」「水」「火」「風」「空」五大元素がしっかりと入っているなーと
改めて感じました。
根っこを掘る作業では「地」と向き合い、泥にまみれます。
根っこを洗う作業では「水」の浄化力に助けられます。
油抜きの作業では「火」の要素で内側にある油を排出します。
吹く時には「風」体内の風、呼吸を使い竹に息を吹き込み音を奏でます。
竹の節には「空」があり空っぽの空間があることで音が鳴ることができる。
ヨガでも「地」「水」「火」「風」が生まれつき持っている3つのドーシャを作っていたり、身体の中の各チャクラと対応しています。
「プラーナヤーマ」呼吸法も使うので、地無し尺八との共通点も沢山あります。
またこの辺りの話もしていきますね。
豚汁やおにぎりを作って頂いたり、畑のみかんをご馳走になったり、焚き火で焼き芋を焼いて頂いたり。
五大元素をしっかりと感じながら、竹と向き合う幸せな時間でした。

この記事は、過去のブログから転記しています。